【ヨガ哲学の名言】一期一会 パリ編

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助けてくれてありがとう!本物のプロフェッショナルとは?

「ビジネスの主目的は単なるお金儲けではなく奉仕サービスであるべきです。ビジネスはひとを幸せにするための奉仕だということを忘れてはなりません。一人ひとりが他者のために生きるべきです。自分を支えるには他者もまた支えなければならないのです。」

パラマハンサ・ヨガナンダ

憧れのパリ編。

パリは魅力度100%の街だ。凱旋門、シャンゼリゼ通り、ルーブル美術館、モンマルトルの丘など、世界中の旅行者が魅せられる。先日もイッテQで出川さんが行っていて、パリって何千回、何万回って、無数の番組・映画・ドラマ・コンテンツが作られて、それでも、なお、まだ人々を惹きつけ続けるであろう、すごい稀有な都市だなと思う。

これからも、世代を超えて、惹きつけられる人々が変わるがわる、パリ舞台の何かをクリエイトしていくのだろう。こんなテツコでさえ、テツコの前世はパリジェンヌだったに違いないと思った。パリにハマる人たちはみんなそう言うよね。でも、世界の他のどの地域よりも肌に馴染む感じがあった。

綺麗な情景とは裏腹の、地に足のついた生活をしている人たちのギャップが、何とも心地良かったのだ。理想と現実が同居しているような街。もちろん、東京もニューヨークもどこもそうなんだけど、東京やニューヨークは現実感が強めな気がする。

海外旅行に行くと、なんだか馴染む、馴染まないという場所がある。なんか知ってるこの街、デジャブでなくても、細胞レベルで「この街を知っている。」と感じる瞬間、それがパリにはあった。世界中の女子が憧れている場所だから、そんなことを思うのなんて、テツコだけではないし、現世のパリジェンヌに笑われるだろうけれど。

テツコがパリを旅したのはクリスマスだった。そうでなくても美しいパリが、イルミネーションで柔らかい輝きとクリスマスを楽しむファミリーたちの笑顔で、まさに極上の世界だった。極楽に近い、神々しい夜の景色。

しかし、その年は大寒波だった。石畳の多いヴェルサイユ宮殿周辺は、強烈な寒さだった。もちろん、パリの寒さを舐めていたわけではない。ロングブーツに、コートに、ヒートテックにハイネック、せっかくのパリだけれど、全身黒ずくめで闊歩していた。あまりの寒さで毎日地下鉄を利用し歩き回る自由旅行だったので、風邪薬も飲みつつ、パリに酔っていた。

すると、友達がついにダウンしたのだ。彼女は才女であったが、ヴェルサイユ宮殿の冬将軍には勝てなかった(笑)ナポレオンが冬将軍に負けたことになぞらえて。伝わるかな。

ついに帰国の日、彼女が体調が悪かったため、飛行機の時間ぎりぎりまで起こすのもかわいそうだと思い、ギリギリの時間にシャルル・ド・ゴール空港に到着した。ここからは、まさかの飛行機乗り遅れ事件である。冬休み中で、入国審査も混雑し、待たされた挙句、ついに飛行機に乗り遅れてしまったのだった。

遅れて搭乗口に着くと、フランス人女性に「何度も放送したのよ。」と怒られた。言葉は分からなくても怒られたのは分かった。フランス語の放送なんてまるで聞こえなかった。名前を呼ばれていたみたいだが、必死な私たちには、まるで聞こえなかった。言語の違う国にいると、言葉は音楽のように響き渡るだけになってしまう。

通勤電車の乗り遅れとは違う。この遅れは日本に帰れるかどうかの死活問題。彼女は体調を崩し動けない。テツコがなんとか交渉しなくては。パリっ子たちの英語の無視っぷりは潔ささえ感じるほど。あんなにかっこよく見えるパリの女性たちは、時間通りしか働かないし、自分の役割以外は決してやらないと聞いていた。その通りだったのだ。

空港の中をひたすら歩きまわって、話しかけても相手にされない。JAL、ANAカウンターなんてない。後で調べると、日本からの直行便は、JAL、ANA、エールフランス航空のみだという。(当時)ひたすら、エールフランスのカウンターしかない。

そこで、チケットを見せながら、「This  airplane took off.」と何度も伝えたが、女性には「あっち行け」と手ではらわれるだけ。チケットさえ見せれば、分かってくれると思ったのに。英語で何かを伝えようとしても、全く聞こうとさえしてくれない。歩き回っては話しかけて、歩き回っては話しかけ。

シャルルドゴール空港はものすごい広い。そりゃ、そうだ。1時間以上は歩き回った。

今思うと、「I missed the plane.」って言えば良かったのかもと、英語力に反省だが、こんなつたない英語の日本人が、相手にされるはずもなかった。今まで女性に話し続けて来たけれど、これではらちがあかない。

そうだ!フランス人男性は日本人女性が好きって聞いたことある!日仏カップルって多いんだよね。話しやすい女性にばかり頼っていたけれど、「よし、勝負だ!」と思い立ち、思い切って黒人の男性に話しかけた。

すると、チケットを見るにつけ、理解してくれたのだ(涙)最後に、こう確認してくれた。

「Do you want to go back to Japan?」「Yes!」

この人の魂は、きっと美しいに違いないと思った。その後、チケットを取得する手続きをしてくれた。あの時の、VISAカードには感謝してもしきれない。手痛いことに、新たにチケットを取る羽目になったため、30万円もかかった(当時です)クレジットカードのVISAカードの限度額がちゃんと残っていて良かったよ!本当に感謝である。

あの時はヴィトンの本店で財布を買いあさる自分がよぎった。限度額、限度額・・・。もちろん、帰国日なので、ユーロは使い果たした。現金は全くない。今考えると、色々恐ろしい。

チケットが取れた時、彼は最高の笑顔でガッツポーズをしてくれた。最高の霊魂との出会いだった。うがった見方かもしれないが、彼はスマート(賢い)なイケメンだったが、黒人というマイノリティだった。だから、テツコのような、ヨーロッパでは、マイノリティのアジア人に対して差別もなく、助けてくれたのかもしれない。

あの時のたらい回しが永遠に続いたら、帰国できなかったかもしれないと考えると、海外だけに恐ろしい経験だった。帰れなかったら、どうなっていたのだろうか?大使館行き?日本からの現金送金?彼と出会えなかったら、どうなっていたのだろう?

その後、彼のおかげで日本に帰国できた。感謝してもしきれない思いだ。テツコは彼の中にプロフェッショナルとしての美しさを見た。仕事が無味乾燥なものになっているテツコには彼の美しい霊魂は胸を打った。

パラマハンサ・ヨガナンダの

「ビジネスの主目的は単なるお金儲けではなく奉仕サービスであるべきです。ビジネスはひとを幸せにするための奉仕だということを忘れてはなりません。一人ひとりが他者のために生きるべきです。自分を支えるには他者もまた支えなければならないのです。」という言葉とぴったりの人だった。

よく分からない英語を話す日本人を怪しがって避けるのではなく、助けてくれた。

サイババも語る。

「すべての人に奉仕しなさい。自分は万人の召し使いであると考えて、無私の奉仕の精神を持ちなさい。」

仕事は奉仕である。自分の生活のためだけのものではない。自分の仕事以上の奉仕ができる人こそが、プロフェッショナルである。NHKの「あなたにとって、プロフェッショナルとは?」が聞こえてきそう(笑)

社員のため、お客様のためという精神が優れたビジネスマンである。誰かのために頑張っている人は美しい。彼のように無私の思いで、誰かを助けられる人になりたい。自分の仕事が誰かの幸せにつながりますように。色々あったけど、今でもパリは大好き。いつか、彼にお礼が言える日が来るのだろうか。退職していませんように!

今日もお読みいただき、ありがとうございます。

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